From Nowhere To Somewhere ?

ビートルズの曲名から名を採った無定見、無我、無帰属の男が、どこかに辿りつけるのかという疑問文(題名、字面通り)

みなさん、「秘密」を語れるうちに語っておこう…(汗)

 特定秘密保護法案が衆議院の委員会審議を可決で通ったという報道がありました。

 じゃ、知る権利後退で。強行採決で。

 どこらへんが民主主義的なのかなあと不安になりますね。

 まあ、強行採決で通った法案は過去にもあったけど、精神的自由権に関わる重大法案もこれだ。日本の民主主義は、「日本型」と一つの型を自称するのは現段階ではおこがましいかもしれません。民主主義になろうと悪戦苦闘しているところのもの、とはいえても。

 法学部出身(あるいは、在学中)の人は大昔に聞いたことがあるかもしれないですけど、憲法13条が個人の尊厳や尊重を謳っていて、その個人がより良く生きていくためのシステムとして統治機構が仕える。

 戦前と戦後が全く違うと言われているのは、国家という目的のために個人が手段にされるという全体主義否定の論理構造を憲法が内包しているからだとされています。今は、個々人が目的であり、統治機構は手段になっている。はずなのです。

 メディアによる用語の濫用で、知る権利は、プライバシー侵害や粗探しをするだけの野次馬根性に誤解されていたりしますが、憲法が想定しているのは、本来は、次のようなものです。

 間接民主制=国民の代表をして議論する人(代議士≒国会議員や地方議員)が議会に集って政策実施の前提・根拠となる立法を定めるシステムなので、その「全国民の代表」(憲法43条1項)は高潔で高徳の士である必要があります(上記した統治機構は国会という「最高機関」(憲法41条)が筆頭となって、三権分立して機能していることは周知のとおりです)。ここは、笑わないでください。

 彼らはどうやって選ばれるかといえば、選挙ですよね。選挙前に僕らはどうしますか。情報収集しますよね。なぜ情報収集するか。適切に判断を下したいからです。そこで、知る権利が行使できる必要がある。不適切な政治家を登壇させる訳にはいかないからです。ヒトラーみたいな演説や誘導をされたら困るから。あるいは、金権政治とか利権誘導の政治をされると、(一部の人はいいけど)政治が歪むからともいえるかな(こちらは良くある話?)

 芸能人のスキャンダルとかどうでもいいんです。民主制の本義からすると、知る必要はないから…。知りたい人は知ればいいけど。それは趣味の世界ですから。知る権利の「対象にはなる」けど、枝葉末節ということです。

 スパイの知る権利まで十全に保障する皮肉な状況は改善しなくてはならない、目的意識やよし、しかし手段が広汎過ぎ、漠然とし過ぎていませんかという話です(参考:違憲審査基準 - Wikipedia)。

 しかもセーフティーネットとしての審査機関も、法律を通してから設ける予定みたいだ。

 TPP参加はしないしブレないって公約で大勝した自民党が、勝った瞬間に公約を反古(故)にしたことからすれば、あんまり期待はできません。

 

 憲法改正の発議もこんな感じで行くのかな。

 話が飛び過ぎと思うなかれ…精神的自由権制約立法を軽々通してしまうなら、上記のように、選挙や立法等に際しての批判検証もできなくなるおそれがありますから(確定とは言わないが…濃厚ですよね)、憲法改正の審議の経過や真意も伏せされるかもしれません。

 そして、理由付け無き選択肢だけが提示されることになる。

 あ、それは今も同じか?

 

 付録:何が何でも不可視で外在的な何かを貫き通したい人向け?

【国益より憲法-検証・内閣法制局(上)】首相に逆らう法の番人「憲法守って国滅ぶ」+(1/3ページ) - MSN産経ニュース