From Nowhere To Somewhere ?

ビートルズの曲名から名を採った無定見、無我、無帰属の男が、どこかに辿りつけるのかという疑問文(題名、字面通り)

鑑賞メーター 1月分まとめ

2013年1月の鑑賞メーター

観たビデオの数:9本

観た鑑賞時間:960分

 

スター・トレック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

近所のTSUTAYAで、このリメイク版を発見し、鑑賞のついでに79年のファーストも復習で借りた(そしてこれを鑑賞する前に観た)が、元ネタへの愛を随所に感じた(未来と交錯したりね)。過去のファーストは、既にベテランになったクルーの物語になっていたので、クルーが出会う青年期を描いた意義があるんだろうな。論理の鬼スポックと拮抗する熱血漢カーク、脇役も絶妙なサポートで魅せる。ワープや転送が未完成な技術として描かれていて、その不完全性がスリルを与える効果を生んでいる。あと悪役が『ハルク』のエリック・バナでびっくり。

鑑賞日:01月31日 監督:J.J.エイブラムス

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2043447

 

スター・トレック [DVD]

金字塔だが、テレビ放映を断片的にしか眺めたことがなかった。スター・ウォーズシリーズは自発的に鑑賞してきたのに。デザインの好みの問題か。エンタープライズ号は外観が繊細で華奢過ぎる。艦内はのっぺりしすぎている。でも計器類はレトロフューチャーで適度に好きだ。持ち上げつつ下げるが、制服は無印良品を「改悪」したみたいな感じ。でも総じていうとやはり名作なのだろう。映画は何よりもプロットだし。観た後に、ダフト・パンクのVoyagerを聴いてしまったよ。旅人だものね。忠実にハイパーデータバンクになって戻ってきてほしいな。

鑑賞日:01月31日 監督:ロバート・ワイズ

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2042838

 

カフカの「城」 [DVD]

まず、カフカの小説自体、未完だというのが手痛い。映画も忠実に中途閉幕。不完全燃焼、消化不良が嫌いなら、オススメできません…。権力の中枢の象徴としての「城」があり、そこに出入りし、職を得ることが名誉。ということが村に入った瞬間から外部者も拘束されるコードで、カフカのイニシャルとされる測量技師Kも、外部者からランクアップすべく村人を通じ何とかコネを得、「城」に取り入ろうとする。なのに、不条理なほど曖昧模糊、取り付く島もない。ディスコミュニケーションの連鎖。時間の流れが異常に速く、カフカ版の世にも奇妙な物語

鑑賞日:01月30日 監督:ミヒャエル・ハネケ

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2040518

 

■コックリさん SPECIAL EDITION

深夜零時くらいから鑑賞してみた。しかし、降霊術あるいは交霊術の類を信じる人はともかく、すんごく怖いかというと、微妙ではある。同名の儀式、日本のバージョンにもいくつかあるのかもしれないが、ペンを用い、コインを使わない。物語的には、排他的な村落共同体への世代を超えた復讐、とでも要約できるが、最初の呼び出しにしか儀式は関係ない。儀式が似ているから、邦題もそれにあやかってみたという程度か。原理としては、狐の霊説じゃなく、死んだ子供の霊説に近いようだ。イ・セウンさんの映画と思ったら、実はキム・ギュリさんの映画。

鑑賞日:01月29日 監督:アン・ビョンギ

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2035867

 

■プリンセス トヨトミ DVDスタンダード・エディション

原作ファンからは批判が多い?原作未読なので、映画での素朴な感想。憲法上の原理でいう中央集権と地方自治、国際政治上の宗主国と属国(そこから主権国家、独立国家とは何か)、みたいな二項対立を込めて、「大阪夏の陣で敗れた豊臣の子孫を拝する「大阪国」を明治日本政府が歴史の密約で許容してた」という壮大なミステリー仕立てにしていて、興味深い。その密約に、中立公正な独立性ある会計検査院は斬り込めるかと。あと、父性の復権、忠義と礼節。テーマが多すぎて拡散している?脳内BGMはQUEENで『Father to son』。

鑑賞日:01月22日 監督:鈴木雅之

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2016408

 

■まほろ駅前多田便利軒 スタンダード・エディション [DVD]

独特の価値観とそれに基づく雰囲気のバツイチ男二人が、絶妙な間合いで便利屋稼業を回していく、カレンダーふう、1年間の物語。二人は似ているから行動を共にするのではなく、行動原理は水と油。だけど、まほろという街で、共に思春期の一時期を過ごしたことが愛郷心(?)のような紐帯になっているのか。劇中にも現れるが、片や人間味がありすぎ渇望があるのに喪失感や無力感に苛まれるから、片や何も無いようで全て持ってるが、根底で幼少期に形成された自己の空白を埋め合わせようとしてるから、なぜか同一軌道上で人助け。人生の不思議。

鑑賞日:01月21日 監督:大森立嗣

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2015714

 

ブルーバレンタイン [DVD]

別に、バレンタインデーらしい予兆はなかったが、ラストもラストになって打ち上げ花火が上がるから、あれが祝日特有のムード?しかしそれ以外には、聖人の誕生日の欠片もない。ブルーカラーの青年が、ホワイトカラーの女子学生に一目惚れして、彼女もそれに応じる。のだけど、年を経るに従って、互いの溝は深まるばかりである…。不朽の愛とか、純愛って何だっけ。登場人物の、高学歴だが不埒な男たちより、ライアン・ゴズリング演ずるディーンの直球ぶりは、愛情の一貫性という意味で素晴らしい。そのはずなのに、なぜこうなる。価値観や言葉の壁。

鑑賞日:01月20日 監督:デレク・シアンフランス

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2013562

 

アレクサンドリア [DVD]

レイチェル・ワイズ演ずる女性哲学者ヒュパティアは、歴史上名高いアレクサンドリアの図書館長の娘で天文学や物理学、数学にも造詣が深かった。アレクサンドリアの図書館がローマ帝国(の威を借りたクリスチャン)によって「焚書坑儒」(中国のみの教訓ではない)されたことで、人類の進歩は数百年遅れたというくらい当時の叡智が詰まっていたとされる。現在のクリスチャンが、「自分の宗教はどのように広まったか」について虚心坦懐に学ぶための映画、という気がするね。ヒュパティアの発見がケプラーに再発見されるまで1200年って。大罪だね。

鑑賞日:01月15日 監督:アレハンドロ・アメナーバル

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2000370

 

サルトルボーヴォワール 哲学と愛 [DVD]

父方の田舎で正月に観た。感想を書いていなかったので今書く。はっきりいえば、ボーヴォワールメインで、サルトルが大変理不尽な男というふうにしか描かれていない(苦笑)。社会貢献する哲学者としてアンガージュマンする彼が、外で自由恋愛を貫くことは、ボーヴォワールのように男への隷属という構造問題から女性を開放する見地からは、二律背反的だったはずである。しかし、大学卒業までの濃密な共同研究期間が、サルトルだけを礼讃し崇拝する背景を形成してしまい(若い時の思い込み?)、別れ得ない。彼女の愛情の成就を大変困難だったろう。

鑑賞日:01月03日 監督:

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2000377

 

 

鑑賞メーター

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