From Nowhere To Somewhere ?

ビートルズの曲名から名を採った無定見、無我、無帰属の男が、どこかに辿りつけるのかという疑問文(題名、字面通り)

鑑賞メーター 12月分まとめ

2012年12月の鑑賞メーター

観たビデオの数:3本

観た鑑賞時間:404分

 

ミュンヘン [DVD]

いわゆるパレスチナ問題の歴史的起源から掘り起こさないと、この映画が提起したい問いかけの全容は把握できないのかもしれない。エリック・バナ扮するアヴナーは仮名だが、実際にこの事件に関与した犯人の自供(自伝?)を基に作られたとされるのも納得する。自治区止まりのパレスチナは「被支配層」と固めて見ちゃうと、パレスチナに同情しがちだが、他方この物語では、ミュンヘン事件に復讐するイスラエルにも言い分があるという構図が採られ、こういう背景や動機があるんだよと「イスラエル側への共感」を演出しているので、受け取り方が難しい。

鑑賞日:12月03日 監督:スティーブン・スピルバーグ

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1898823

 

■ロシアン・ルーレット [DVD]

サム・ライリー、主演でしかも好演なのに周囲が著名どころであるためにジャケットの扱いが不当…。お気の毒。物語の筋は至ってシンプル。違法賭博場のサバイバルゲーム。ジャケットにもあるように、円陣を組み、リボルバーを自分の前に居る人間の後頭部に向け、中心にぶら下がる電球点灯を合図に引き金を引く。どいつもこいつも前科者っぽい中に、サム・ライリー扮する親孝行な電気技師が、半ば自業自得・半ば同情的な動機で(一家の金銭的苦境を救いたい一心である)、死亡した出場者の代打として出場。結末は抽象的には不条理もの、因果応報譚か。

鑑賞日:12月02日 監督:ゲラ・バブルアニ

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1893675

 

■007 スカイフォール

今朝の初回で観てきた。新シリーズが持つ美点としてのアクションは迫真で今回も素晴らしい。バットマンの新シリーズはなぜバットマンが生まれたかを心理面から描く際に生い立ちも描いたが、007の今シリーズは、最初に愛した女を守りきれなかったために、あるいは彼女を忘れないために、それ以降の女性に心を許さないボンドが生まれた成人後の設定は描いた一方で、生い立ちは描いていなかった。今作は地味に・間接的にではあるが、生い立ちも触れる。彼がスコットランドの荒涼たる大地で、人格形成したことだけ、ストーリー展開とともに示される。

鑑賞日:12月01日 監督:サム・メンデス

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1891917

 

 

鑑賞メーター

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