From Nowhere To Somewhere ?

ビートルズの曲名から名を採った無定見、無我、無帰属の男が、どこかに辿りつけるのかという疑問文(題名、字面通り)

鑑賞メーター 9月鑑賞分の感想文 まとめ

2012年9月の鑑賞メーター

観たビデオの数:9本

観た鑑賞時間:1140分

 

潜水服は蝶の夢を見る [DVD]

実在した、『ELLE』誌の編集長が、同名の自伝を書いた。その後、賞賛のなか亡くなっているので、処女作で遺作となるノンフィクションもの(雑誌は彼の名義じゃないのでカウントしないが…。)が原作の映画ということになるようだ。脳幹が壊れ、左目の瞬き以外コミュニケーションツールがない。ロックトイン・シンドローム(閉じ込め症候群)は、深海の潜水服状態らしい。想像力の翼で蝶として翔び立つ夢を見ていたという。非常に稀な病であるため、映像化して知らしめること自体に意義があるような(喜怒哀楽は無論あるが)、静かで美しい映画。

鑑賞日:09月26日 監督:ジュリアン・シュナーベル

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1736350

 

■SP 革命前日 [DVD]

位置づけ的にはいわゆるスピンオフ作品なのだろうけど、映画では無いようで(ファンは熟知してるかもしれないが…)、60分のドラマ仕立てである。また、公務執行中ではなく、革命編の前日はオフの日であった、という設定。しかし、野望篇と革命編のブリッジにおけるキーストーンになっていて、欠かせない作品と思われる。冒頭だけ、革命編のラスト、屋上での対決シーンへの導入部がある。対決に臨む際に井上の脳裏に走馬灯のようによぎった(長いが)前日の記憶。悩ましいのは、鑑賞の順序である。映画二つを観た後か、革命編の前にこれを観るか。

鑑賞日:09月22日 監督:

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1721356

 

■SP 革命篇 DVD通常版

国会議事堂は歴史的建造物ではあるが、セキュリティはやばそう。監修者に現役のスペシャリスト達を招いて意見を聴いたりして、脆弱性を炙りだしたりしたのか。国会法その他現行法令を参照して、官僚(尾形も)が今回の策を練ったらしき発言があり(衛視には銃の携帯権限がない!またSPは携帯OKだが、彼らは『動く盾』で発砲の例はない、後者はたしかドラマでの解説セリフだが)、日本は泰平だ。微妙に国情憂慮。ちなみに野望篇は要人警護しながらの大移動があったが、今回議事堂内の攻防のため閉鎖的となり、印象が矮小化されそうなのが残念。

鑑賞日:09月22日 監督:波多野貴文

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1720169

 

■シャッフル [DVD]

私見では、おそらく主人公のリンダは本当に一度は発狂しかけたのだろう。ただ、彼女は、娘二人を授かる前の幸せな夫婦の思い出の映像から察するに霊能者でも何でもない。作中出てくる神父さんの教えの通り、ホラーとは違う超常現象を、信仰を媒介に希望に変えるみたいな話。他の映画で我田引水していうと、予知夢を見ながら時を翔けるサンドラ・ブロックが、バタフライ・エフェクトする感じかな。ただし、その範囲が、一週間のシャッフルの謎解きに限定されている点が、いかにも神の御業、というか。旦那は戻ろうとしてああなったんだなという希望。

鑑賞日:09月14日 監督:メナン・ヤポ

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1699132

 

■仮面舞踏会【リマスター版】 [DVD]

トップページが出てくると、すかさずツッコみたくなるのは、能面舞踏会ではないか?という点でしょうか。洋風の仮面じゃなくて能面なんですよ。あと、他の著名な長編群と違って、なんか無理がありますね。こう、全般的に。原作の時点でもたぶん、横溝正史のモチベーションはマックスじゃなかったと思う。それがある意味で忠実に(?)反映され脚本化されて、ドラマになった時にもっと間延びしてしまったという感じ。きっちりと。金田一ファンだから許しますが…。

鑑賞日:09月14日 監督:長野卓

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1697443

 

■the EYE (アイ) デラックス版

リメイク権を争奪戦するほどかな?という印象。ザクッといいますと、(古いのでご存じの方も多かろうが)アンジェリカ・リー演ずる盲目の女性が、臓器移植の一環で網膜をどこかのドナーからもらうわけです。ところが、霊能力者の網膜をもらってしまったのでエライことになってしまうと。やばいといえば「実話に基づく」という点でしょうか…。マジかよ…。ちなみにツタヤで借りたのですが、このデラックス版のジャケットなら、ゴーストチャプターと称して、幽霊の見えるシーンばかりまとめたチャプター集があります…。一気見したい人はどうぞ…汗

鑑賞日:09月14日 監督:オキサイド・パン,ダニー・パン

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1697438

 

SP 野望篇 DVD通常版

トラウマで脳が活性化、五感が研ぎ澄まされることをポジティブシンキングで捉え直し、要人警護のSPに活かす主人公・井上。という設定ゆえ、ドラマでは主人公ばかり強い感じだったが、映画では全員の格闘シーンがあり見所がある。ドラマを承けた結末を映画編で、ということでドラマを順に見ていないと、冒頭から井上と堤真一演ずる係長が険悪になっている意味が不明かも…。「テロの時代」に要人警護がグレードアップすべきという議論を超え、日本の危機管理・安全保障改造まで込みの大計画へ。表題なるほどの野望。でも、マッチポンプはずるいよ。

鑑賞日:09月12日 監督:波多野貴文

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1697429

 

■太陽 [DVD]

GyaO!で無料視聴。たぶん、9月11日現在も可能な期間。複数国の映画人が協賛して創っているのが独特。不謹慎ながら、この作品の焦点は、ラスト20分辺り、天皇陛下が自分を縛り付ける「神格」を人間宣言により放棄することで、周りの懸念をよそに嬉々としているところを描くことに集中していたのでは。彼は籠の中の鳥であった。神格ある万世一系の直系が地下壕で発狂せんばかりに悩み苦しむ。神格があるあまり、誰とも心を交わせない(誰もが畏まるから…)。彼は人間宣言というGHQの外圧を実は開放として喜んでいた。という壮大な仮説。

鑑賞日:09月10日 監督:アレクサンドル・ソクーロフ

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1691553

 

闇金ウシジマくん ディレクターズカット版 DVD-BOX

原作は未読。つい先程、GyaO!で、正午まで9話全話無料配信というサービス期間だった。「闇金は、犯罪です。」と何事もないように現れる黒い笑いのテロップなど、警句が出てきながらも基本的に誰も救済が訪れないストーリー。ラスト近くになると、まとめに入るので、やや良い話がちらほら入るかもしれないな…ストーリー全体に比して焼け石に水という程度ではあるが…汗 淡々と描写しながら、日常の裏側に流れているであろう非日常な人たちの人生が、すごく近接した位置にあることを示唆する。可笑しみと悲しみが随所に散りばめられた話。

鑑賞日:09月01日 監督:

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1664455

 

 

鑑賞メーター

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