From Nowhere To Somewhere ?

ビートルズの曲名から名を採った無定見、無我、無帰属の男が、どこかに辿りつけるのかという疑問文(題名、字面通り)

「ネタ切れだから中継ぎに」ってなわけではないが、鑑賞メーターってご存知ですか

姉妹サイトの読書メーターのほうが、雑誌に取り上げられたりしてネット界隈では名が知れているのかもしれませんが。

そのサイトには、まとめ機能というのがあり、毎月、自分のブログで日々の鑑賞についての感想を公表できるように、タグその他をまとめあげてくれて、利用者はコピペするだけで良いという優れものがあります。

誤読の余地があるので付言しますが、もちろん、個々の感想はご自分の言葉で紡ぎ上げる必要があります。作文をしてまとめてくれる意味ではなくて、日々、感想を書き溜めたものを、体裁良くまとめてくれるの意味です。「コピペする」の前に、目的語として、「自分の文章の周りに生成された記号等を」とでも補えばいいですかね。

良かったら、鑑賞メーター、ネットの大海でここに流れ着いた(?)皆さんもどうぞ。

僕の書き物には、僕のこのブログ以外にも、僕の個人的な考えを書くもうひとつの姉妹兄弟ブログがありますが、通常はそちらにて貼りつけ、利用していたものです。

現在上映中の映画についてもコメントできるサイトですが、僕はそういう使い方をせず、主に近所のTSUTAYAの世話になりながら鑑賞を継続しているところであります。

面白そうと思ってもらったり、すでに鑑賞済みで「おいおいそんな観方はないだろ」と思ってもらったりでもよいので、何らかヒントになるものであればと願います。

多少悪ノリや刺のあるコメントもありますが、適宜受け流していただければ幸いです。あくまでも、趣味の問題なので、映画の取捨選択がご自分に合わなければ捨ておいてください。人格攻撃はご勘弁を(苦笑)。要するに、「では、あなたの趣味は良いとでも言うのか?」という応酬を呼び込むことは火を見るより明らかだからです。

 

 

2012年7月の鑑賞メーター

観たビデオの数:15本

観た鑑賞時間:2237分

 

シーサイドモーテル [DVD]

気軽に笑いながら流し見する感じ。最後には怒涛の収束でまとまるのだが、「エマニュエル」と「マリン」の登場する筋道は、その終盤のまとめにさほど影響せず、必要性があるか?という気にはなる。借金の踏み倒しと大金の持ち逃げの筋道と、「キャンディ」らの愛の逃避行の成就なるかという筋道と、この2つの大筋で幹ができている。そこに大小さまざまに騙し合いやら小ネタが炸裂する。たぶん、笑える人には笑えるし、笑えない人には笑えない。そういうわけで、冒頭のように、さらっと眺める感じの鑑賞が調度良い着地点なのかもな…と思う次第。

鑑賞日:07月30日 監督:守屋健太郎

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1587898

 

■ジーン・ワルツ [DVD]

原作を読んでいなかったが大変感動した。菅野美穂産婦人科医に扮し孤軍奮闘する。当初、カタカナ表記から勝手に推論したのは、遺伝子のワルツなので、試験管ベビー体外受精だとか、実験的なようでモラルを問うものという筋だった。だけど、4人の妊婦さんを通じ、シングルマザーの堕胎に相手の同意が要るかとか、無脳症を堕胎するか出産して看取るかとか、派遣切りと育児の困難性とか、不妊治療とか、高齢出産プラス代理母プラス双子の帝王切開とか(!)、男であれば思考実験上すでに飽和しそうなお題がてんこ盛りである。制度の限界との戦い。

鑑賞日:07月30日 監督:大谷健太郎

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1587848

 

ディスタービア [DVD]

好みはあろうが、僕は割と、主人公がダンスパーティーをオールドチューンで邪魔したり、部屋がクラッシュやツェッペリンのポスターで飾り立ててあったりする(アンチ流行り)のは好き。ともあれ、父親が作家で、感性の鋭敏さを継承している、そういう気質の男子学生が心無い教師の一言で教師を殴り自宅謹慎(遠隔アラートの足枷付き)処分を受け、「目撃者」になる。ガール・ネクスト・ドアという甘い要素と、シリアルキラー・ネクスト・ドアという鳥肌な要素とを、自宅から出れない男子学生という軸で一本にまとめようとしたトライが気に入った。

鑑賞日:07月30日 監督:D・J・カルーソ

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1587805

 

■女たちは二度遊ぶ [DVD]

芥川賞作家の吉田修一が原作、『世界の中心で愛をさけぶ』の行定勲監督。難産型の小説家が古き良き喫茶店で唸っている。そこに、各話ごとキーマンになる人物が二人連れで現れる。ネタに困り、彼は彼らが過去を回想するのを横で聴いている(苦笑)。女性にとっては示唆の多い話?というのは、男よりも女性はメンタルの浮気を許さない(とされる)。気持ちの占有率とでもいうか。副題にあるとおり、今その男が付き合っている女性は実は形だけ一緒にいるだけで、墓の中に持っていく思い出の女が自分なら、どちらが究極的には勝ちかという仮説的な問い。

鑑賞日:07月30日 監督:行定勲

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1587442

 

■クイズ・ショウ [DVD]

GyaO!で観た。テレビ絡みでのやらせや八百長の問題、黎明期?そこに国を代表するインテリが絡んだ点で耳目を集める話題性がある。『21』というクイズ番組が実際に50年代後半に大流行したそう。やらせ発覚。ただそれが、当時の良識に照らし(今の想像以上に)問題化。テレビでインテリが語る以上、それは知性に基づく会話が映る、と皆が信じてる。事前に答えを知らされた上で金をもらうなんてことは、「額に汗する」労働観からは、虚業で欺瞞に過ぎない。でも他方で、彼ら出演者を大歓声で受け入れた大衆社会も、エンドロールが批判してる。

鑑賞日:07月29日 監督:ロバート・レッドフォード

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1585203

 

パーフェクト・ゲッタウェイ [DVD]

病的な逃避願望の男と、病的な対人依存症の女がカップルになりシリアルキラー状態になっている。後から観る人のために一応ネタバレは抽象化、回避。これまでの映画でも、殺した相手の人格や人生を乗っ取るというタイプのシリアルキラーも描かれてきたが、それをハワイの離島で3カップルでサバイバルゲームにするというものだ。で、ジャケットのメンツがその6人であると。極限状況からの脱走の意味で表題かもしれないが、犯人の経歴からすると、むしろ、他人の人生を乗っ取ることで忘れたい過去から完全に逃げ去る、という趣旨なのかもしれない。

鑑賞日:07月29日 監督:デヴィッド・トゥーヒー

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1584655

 

ダークナイト ライジング [DVD]

DVDって表示、公開したばかりなのにやめてくれ、と思うが(苦笑)。昨日、一日だけの先行上映にて拝見。英語表現で有名な、It results in vain.(無駄に終わった)を彷彿とさせるベインが最後の敵(別途含みあり)。固有名詞なら「虚無」とかかな。だが超絶の肉体派。バットマンは忍者タイプで、これまでもワイヤーや飛び道具で総合力勝ちしてきた人なのに、真っ向勝負してしまい、一回負ける。ベインはその間、ジョーカーとは違った形でゴッサムのダークサイドを引き出す。が、セカンドほど悪の本質には迫れていない気が。

鑑賞日:07月28日 監督:

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1583545

 

アガサ・クリスティー 華麗なるアリバイ [DVD]

クリスティの英語小説がフランス語で映画になっている。登場人物もことごとくフランス名である。上院議員の一族が豪邸に集まって週末を過ごすひととき、プールサイドで殺人が起きる。モテモテの精神科医が殺されたのだが、殺害に使われた銃弾は9ミリのオートマチックタイプの銃から発射されたものだったのに、最重要の被疑者である妻が「拾った」と称している銃、つまり現場に落ちていた銃は36口径だった。心神耗弱と計画殺人の交錯。とにかく美しい庭や家具類に囲まれて、クリスティの世界が現代風に再現されてる(例:携帯を普通に使ってる)。

鑑賞日:07月28日 監督:パスカル・ボニゼール

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1583520

 

■震度0 [DVD]

3.11が起こる前。つまり、阪神淡路大震災の警察や自衛隊による事後処理が難航する中で、とある県警のトップ7人の一人が失踪する事件が起こる。その失踪事件は、失踪者が人格者なだけに、見事なまでに7人全員に事前・事後にわたり影響力を及ぼしていた。無責任な本部長や、警察庁長官を目指す上川隆也演ずる副本部長が、刑事部等のノンキャリアトップの叩き上げらと拮抗、手柄の立て合いや保身の図り合いをする。一部の理があるように見えることがあるから厄介。警察組織の不条理、警察は誰のものか(国民のもののはずだが)という問いかけ。

鑑賞日:07月07日 監督:水谷俊之

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1541707

 

■クラッシュ [DVD]

社会派の入った群像劇。アメリカのモザイク国家(人種や宗教の多元性)ぶりは、表裏一体で人種・宗教・職業差別へと際限なく広がり、サンドラ・ブロックのラスト付近のセリフのように、「理由はわからないのに私は日々怒っている」という相互不信や憎悪の連鎖を招く。個人主義や自己決定権、自助努力や自己責任原則というのを、人間の弱さにもかかわらず徹底しようとすると色々破綻が生じるのだなあ。と思わせつつ、ほんの少しずつ登場人物たちに和解その他光明が射すような示唆(逆もあるが)がされて終わる。連鎖の具合はどうぞご覧になって。

鑑賞日:07月07日 監督:ポール・ハギス

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1539547

 

遊星からの物体X ― コレクターズ・エディション [DVD]

あまりにも有名ながら、きちんと観たことがありませんでした。味のある邦題だけど、やはり原題のほうが深みはある気がする。その、名付けようもないナニモノか。その物体。10万年以上も冬眠してたのに、かなり元気。悠久の時を経て南極大陸で始動しちゃった寄生的エイリアンが、あれやこれやにとりついてグロい展開を繰り広げます。すごいのは、血液一滴でも感染するということで、ゾンビムービーとどっちが早かったのだろう、この着想。『エイリアン』の血液は強酸だけど、これは血液自体が意思を持って移動する。南極で『ボディスナッチャー』。

鑑賞日:07月07日 監督:ジョン・カーペンター

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1539449

 

■ポセイドン [DVD]

比較対照。『タイタニック』は、氷山にぶつかった船が真っ二つに割れて沈没した事故検証や時代考証から逃れられないが、これは実験的。海の神の名前を冠し、若干人間の傲慢さを象徴した巨大旅客船の話。『タイタニック』では船が割れるまでにも人間模様が濃密だったが、この映画では大津波でさっさと船が逆さまに転覆。密閉性が非常に高いために、浸水しながらもかろうじて浮いている。天井となった船底、スクリューの穴を目がけて、下から上がってくる海水を逃れて脱出劇を繰り広げる。設定はシンプルながらスリリング。ただし心理等の深みはない。

鑑賞日:07月07日 監督:ウォルフガング・ペーターゼン

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1539431

 

■ゲーム [DVD]

古い。ネタバレ有り。単なるドッキリだと相手の人格の改変は起きない。幼少期に父親の投身自殺の目撃者になって以来、父親のように振舞おうとする兄を持った弟(ただし超資産家の家に生まれたことが条件)が、兄の目を醒まさせるショック療法を、映画『パララックス・ビュー』の結社みたいに実現。ただし、キリスト教のモチーフで悪が勝ってしまった『セブン』とは異なり、弟の善意は一応達成。愛のムチが厳しい。キリストの復活などを思わせる死(擬似だけど。父との同化の呪縛からの開放)と再生(リボーンで誕生日)、監督一流の人格矯正だから。

鑑賞日:07月04日 監督:デビッド・フィンチャー

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1533015

 

■迷路荘の惨劇【リマスター版】 [DVD]

200年以上も前に、ある決壊しそうな河のほとりにある廃村手前の荒れ村に、行脚する親子が流れ着いた。父親は自身が人身御供となり河に飛び込んで見事に鎮めれば自分の子どもの子々孫々に村全体が忠誠を誓えと誓約させ、見事に河を鎮めた。昭和25年の静岡、金田一の恩人である富豪と結婚した美貌の妻はその村の出身で、没落貴族の元夫は村の統治者の子孫。20年前に起きた血みどろの事件がキーのようで、実はそちらがカムフラージュに使われていたに過ぎない。200年前のほうがキー。時空を超えた因習による制約。トリックより怨嗟が怖い話。

鑑賞日:07月03日 監督:

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1531186

 

■SP エスピー 警視庁警備部警護課第四係 DVD-BOX

ちまちま、Ⅳまで観終えた。TSUTAYAの陳列だと「24」シリーズの番外編とか、「相棒」のスピンオフのように、ゼロは映画の野望篇や革命篇への繋ぎに当たるのかと思ったが、エンドロールで各エピソードごとの楽曲タイトルが出てきて、ⅢとⅣの間にゼロがあり、どうもⅣで結論を先に見たようだと気づいた。できれば、この気づきが錯誤であってほしい。次はゼロを観て映画版も観たい。テロの危機や犯罪の緻密化を警告しながら、有事法制に向けて危機がでっち上げられたりカラクリがある二面性。現実の警察組織の矛盾がてんこ盛りで興味深い。

鑑賞日:07月01日 監督:総監督/本広克行、原案・脚本/金城一紀

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1528712

 

 

鑑賞メーター

http://video.akahoshitakuya.com/