From Nowhere To Somewhere ?

ビートルズの曲名から名を採った無定見、無我、無帰属の男が、どこかに辿りつけるのかという疑問文(題名、字面通り)

読書メーター 6月分まとめ

2013年6月の読書メーター

読んだ本の数:2冊

読んだページ数:620ページ

ナイス数:118ナイス

http://book.akahoshitakuya.com/u/61354/matome?invite_id=61354

 

■日本とドイツ 二つの戦後思想 (光文社新書)

知的刺激を受けた。日独の各国ごとに戦後思想史をわかりやすく書いた書籍は先達も残していたが、自分が日独の両国相互比較という企画で書く段になって、参照に値する先例がほとんどないことに気づいて、書きあぐねたそうな。冒頭から2章までに、日独における戦争責任の捉え方を比較対照しておいて、その捉え方を構成する土台としての思想の分布図説明を後でする。3章以降は、従来型の左右の二項対立のうち、左の陣営でマルクス主義が果たした役割(長短ともに)を述べ、更に旧来の左右双方にポストモダン(以降)がツッコミを入れている状況説明。

読了日:6月22日 著者:仲正 昌樹

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29778907

日本とドイツ 二つの戦後思想 (光文社新書)

日本とドイツ 二つの戦後思想 (光文社新書)

 

■色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

仲良し5人組の中で、独りだけ苗字に色彩が無いという設定と、多崎つくる本人が独白するように、自分は空っぽの容器のようだと思う設定とがダブルミーニングで良い。そのような彼が、あたかもキリストの受難のごとく(?)、意味不明の絶縁を喰らい心を閉ざした後、16年もの歳月を経て、友人たちの現住所を訪ね歩く。『巡礼の年』というクラシックアルバムを所持(所有でない点も良い)している設定と、辞書的意味での巡礼が宗教的目的で寺社仏閣や聖地聖蹟を巡ることを指すことのダブルミーニングも、随所で利いている。沙羅は彼を選んだのかな?

読了日:6月6日 著者:村上 春樹

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29365297

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

 

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