From Nowhere To Somewhere ?

ビートルズの曲名から名を採った無定見、無我、無帰属の男が、どこかに辿りつけるのかという疑問文(題名、字面通り)

5月分の鑑賞まとめ(更新忘れてた)

2013年5月の鑑賞メーター

観たビデオの数:9本

観た鑑賞時間:1118分

 

■モールス [DVD]

若干のネタバレ込。『トワイライト』など、異種間の恋愛が流行りましたが(観ておらずすいません)、この映画は、12歳同士のピュアな恋愛を素材に、その手の設定にすごくリアルなツッコミを入れた映画かも。主人公の少年オーウェンが最後に引き受けた事態の帰結は、既に作中、あるおじさんによって先取りされ表象されている。バンパイアを増やさずにバンパイアを養うには、人のほうがシリアルキラーを担当するしか無い…。モールス信号は多用されないが、ラストのためにのみあった設定かもしれない、と思い直した。悲壮な中にも、静謐な美しさ。

鑑賞日:05月28日 監督:マット・リーヴス

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2361158

 

ドニー・ダーコ [DVD]

インタビュー集で、色んな解釈があり得るので試してという。不条理ながらリアリズムがあり、観客も最後に自分探しをしてたと気付かされる、云々。同感だ。いわゆる預言者も、現在の基準で周りから見れば、処方薬を飲まないと社会不適合な疎外状態だろう。だが彼は聖人なので、社会のほうが狂っているのではないか?それを現代的少年で再現した。SF風味のループも、『バタフライ・エフェクト』と同じ自己犠牲で、クリスチャンの本懐を時空を超えて成し遂げただけ。何も狂ってない。世界は狂ってて、条件設定通りリセットされ(一旦は)終わるが。

鑑賞日:05月28日 監督:リチャード・ケリー

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2359047

 

■スリーデイズ [DVD]

仏のフレッド・カヴァイエ監督による08年の映画(『すべて彼女のために』)のリメイクだそうだ(プロダクションノートによる)。労働者階級出身のインテリという設定をアメリカに持ち込むために、労働者階級の街として発展したピッツバーグを選び、主人公のラッセル・クロウも格闘技の使い手だったりしない。妻の冤罪への怒りや、理性こそが彼を追い詰めていく。アレゲニー郡刑務所が撮影に協力、実際の設備が、緊迫感を出すのに一役買っている。最後の種明かしは、なるほど「物証」からの逆算は、かくも危険なスレ違いを孕むんだなあと思わせる。

鑑賞日:05月26日 監督:ポール・ハギス

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2358541

 

■ザ・タウン [DVD]

アメリカ、ボストンはチャールズタウンを舞台とする、ある意味でとても狭い世界の物語。しかし、お金が集まる土地柄だけに、突発的な強盗ではなく、「職業強盗」が群集する(そうだ)。原作小説があり、終幕時の表示では、『Prince Of Thieves』だったと思う。取材源は、引退した強盗か?そう思うくらい、迫真だった。ただジャケットのデザインが微妙で、賛辞のキャッチコピーも「単にドンパチだけか」と誤解を招きかねない気が…。実際は、街自体が犯罪の温床で、構造的暴力を内包してるという告発を含む良作だったと思うけどね。

鑑賞日:05月25日 監督:ベン・アフレック

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2352889

 

ロング・グッドバイ [DVD]

村上春樹翻訳の新版原作を、読みかけにしてる中、ツタヤで発見。そもそも、僕の中では、もう少しだけ時代が前という印象だった。つまり…。ヨガやらヌーディストやら、原作に関係してたのか?ハードボイルドとしてフィリップ・マーロウはよく引き合いに出されると思うが、イメージを損ねる気がするんだけど。時代考証ミスや翻案ミスということか(じゃなくて、アレンジと善意の解釈をすべきなんだな)。…ともあれ、マーロウは親友の冤罪を証明するために奔走し、驚愕の事実に辿り着く。トリビア→若き日のシュワルツネッガーもちょい役で出てる。

鑑賞日:05月22日 監督:ロバート・アルトマン

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2344484

 

名探偵コナン「銀翼の奇術師」 [DVD]

ネタバレ込。GyaO!で劇場版第1作を観た関係で続けて鑑賞(苦笑)。ライバルというがこの話を見る限りでは、怪盗キッドのほうがウワテ。二人が組んで『ダイ・ハード2』を空港サイドじゃなく、操縦席サイドでやってのける。比較の洋画が古いのはご愛嬌で。ただ苦言だが、サバイバル劇と殺人の謎解き劇とが分断され、しかも前半の関心だった盗みは流れている。あのトリック、飛行機に乗る前に、別の何処かでやったほうが成功率高い。おかげで操縦室もとばっちり。あとちょいネタで江戸川乱歩少年探偵団シリーズで『塔上の奇術師』ってあったね。

鑑賞日:05月20日 監督:

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2342319

 

のぼうの城 通常版 [DVD]

太閤秀吉の差し向けた2万の軍勢を500騎と地元農民の協力とで凌ぎ切った、約400年前の埼玉県の話。埼玉県民は誇っていいね。ただし、厳密には(行政区画等の変動もあろうが)、直接の子孫は行田市の皆さんに限られるだろうけど…。かの織田信長も、若いころは大うつけ等と呼ばれていたそうだから、木偶の坊を略した本作の「のぼう様」も、その種の大物だったに違いない(笑)。脇を固める重臣たちがまた、個性豊かで魅力的である。ただ、当時の人権意識及び政略結婚等の風習からして、甲斐姫の件は(史実を歪めるわけにも行かず)残念の一言。

鑑賞日:05月09日 監督:Array,樋口真嗣

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2313181

 

■劇場版 名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード) [DVD]

GyaO!で観た。題名、映画『ラビリンス』のテーマ曲やクラプトンのバンドCreamの『Crossroads』を思い出した。ミスチル想起という人も居るだろうがそれは好みでしょう。冗談はさておいて、関西設定ですね。京都は碁盤の目のように精密に道路が敷いてあるから「迷宮なのか?」と思うが、十字路に掛けた暗号(弁慶と牛若丸に因んだもの)なのだね。わからないと迷宮入り。割と深い。ただ、犯人の動機が、少し微妙な気がするな…。これまでに、GyaO!で過去作をランダムに観せてもらった中では…。そのため締めもやや微妙かも。

鑑賞日:05月07日 監督:こだま兼嗣

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2314891

 

ドラゴン・タトゥーの女 [DVD]

ミカエルは、証拠を地道に集め推論をし、巨悪を暴く正攻法の(しかし、はみ出し者な)社会派ジャーナリスト。名誉毀損訴訟で敗訴し、多額の賠償金を払う羽目になるが、スウェーデン一の同族企業グループの長から、身内の失踪女性の捜査に粗がなかったか調べてくれれば、彼が敗訴した相手の弱点となる証拠を提供する、と誘われる。やむなく引き受けたら、命を狙われる羽目に。情報時代の寵児だが相当病んでいる龍の刺青娘リズベットが、彼を陰に陽に助けてくれる。そのおかげで失踪事件と名誉毀損訴訟のいずれも収束。なのにラストは気の毒すぎるよ。

鑑賞日:05月02日 監督:デヴィッド・フィンチャー

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2290679

 

 

鑑賞メーター

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