From Nowhere To Somewhere ?

ビートルズの曲名から名を採った無定見、無我、無帰属の男が、どこかに辿りつけるのかという疑問文(題名、字面通り)

鑑賞メーター 3月分まとめ

2013年3月の鑑賞メーター

観たビデオの数:11本

観た鑑賞時間:1238分

 

■パンドラII 飢餓列島 DVD

このWOWOWドラマを観る前、『日本は世界5位の農業大国-大嘘だらけの食料自給率-』なる、農業系雑誌編集者で自分も農業経営者である人の書いた本を、先んじて読んでいた。なので、ドラマの警鐘から直結したイメージ形成(自給率が低いので日本ピンチ!)に即時は至らなかった。が、作中出てくるゴッドコーンという遺伝子操作技術による穀物のたぐいが、地球温暖化→砂漠化していく(とされる)地球の救世主になるような近未来は、別の形であり得る気がした。上述の「食料自給率とは農水省の印象操作に過ぎない」という批判を横においても。

鑑賞日:03月30日 監督:

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2211006

 

■相棒シリーズ X DAY

鑑識の米沢さんの話と並びこちらも面白いです。特に主演二人の会話の噛み合わなさが。ともあれ金融専門家の感想群も知りたい。日頃の疑問もある。日本は世界に冠たる債権国(米国債保有や、途上国への円借款など)であり、国民の総資産も屈指だが、同時に将来の国民から借金を毎年している(日本国債を予算の半分近く刷ってる)。少子高齢化社会で納税者が減り、相殺するパワーがどんどん減る中、アベノミクスみたいに金融をジェットコースター化する力業も行使している。現状、奏功しているけれども。地力が減退している中で持続性があるのかとか。

鑑賞日:03月29日 監督:橋本一

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2205936

 

死刑台のエレベーター 特別版 [DVD]

フランス映画のリメイク版らしいが、吉瀬美智子さんが美人だということを確認するための映画ですか?ぶっちゃけて言うと僕にとっては、つまらなかった。終盤に刑事がいう台詞はけだし名言だと思ったが。人は愛情の証を残そうとする。そうであるからこそ、愛に基づく完全犯罪なんてものは存在しないと(その、残そうとした証が物証になるから。観た人はご存知だ。ベタだが。それが何かは是非ご覧下さい)。敢えてカテゴライズするなら、人生の不条理や無軌道ぶり、刹那主義を描く映画の類いかな。若いカップルの方などは、まるでサイコパスみたいだ。

鑑賞日:03月24日 監督:緒方明

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2191984

 

■評決 [DVD]

大事務所に入り、ボスの娘と結婚しエリート街道まっしぐらのはずが、裏工作に耐えられなくなってボスと喧嘩、辞表を突きつけたら妻と離婚させられ、それ以降引き受ける事件で連戦連敗、落ちぶれまくりの主人公。で、舞台は医療過誤訴訟。とにかくモラルハザードのオンパレード。だけど、アメリカの司法における正義は、陪審員の庶民的感覚が支えているんだという筋書き。あと、時代が少し古いため、コピーの証拠能力が認められないとか、オリジナルに劣後するとか、技術が進歩してからの判例に相反する主張が飛び交うのはご愛嬌か。そしてビンタ。

鑑賞日:03月24日 監督:

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2191975

 

トニー滝谷 プレミアム・エディション [DVD]

若干ネタバレ。短編をよくここまで立体化できるなと感心した。愛妻との時間においてはピアノが軽やかに響き、それ以外は沈鬱だったり悲壮なのもメリハリが効いて良かった。付録の予告編を観たら「切なくもあたたかい愛」の話だという。けど、理解者を喪うのだから、僕にとっては、この物語は超絶に静謐な寂寥と孤独の物語だと思うね。ただ、ラスト近く、宮沢りえ扮するヒロインが、近所のおばさんと洋服を譲る譲らないという下らない会話を通して、ブランドアビューズでない示唆がある。トニーは不死鳥のように蘇るのかな。暗転の後を夢想する。

鑑賞日:03月24日 監督:市川準

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2191970

 

13階段 [DVD]

序盤、死刑場には13階段など存在しないことの言及がある。国民に対し、死刑は憲法が禁ずる、公務員による残虐な刑罰(36条)に当たるか否か考えてという配慮及び問題提起が感じられる「実演シーン」がある。併せて、「遺族の感情を考えろ」というが、被害者が先んじて加害者だった場合や、冤罪で死刑が執行された後に真犯人が見つかった場合の帰結の理不尽さについても、言及されている。あと、理論はともかく現実の警察や検察の「疑わしき誰かが帰責されるべき」という態度や、社会的制裁の苛烈さなど、死刑にまつわる問題点がてんこ盛り。

鑑賞日:03月24日 監督:長澤雅彦

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2191195

 

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー [DVD]

主人公は、悪名高きブッシュと同じテキサス出身議員ではあるが、とある偉業に貢献。女と酒が大好きだが世話好きで信義を重んじる、古式の男らしさの一類型みたいな人。偉業とは、こうである。旧ソ連のアフガン侵攻を食い止めるため、現地住民がロケットランチャーで対抗するシーンをCNN等で見た人は多数いるだろう。元々は、西部開拓時代に用いたライフルレベルでの脆弱な対抗だった。あの武器提供に尽力したのが、彼。ただ、ラストのほろ苦さは9.11に繋がる。事実に基づくそうだが若干誇張もありそう(苦笑)。引算した上でも、オススメ。

鑑賞日:03月23日 監督:マイク・ニコルズ

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2189909

 

■クラウド アトラス(トム・ハンクスハル・ベリー出演) [DVD]

面白かった。一言でいうと、西洋人の理解を通した輪廻転生の映画。前世、現世、来世を、複数の物語が目まぐるしく交差。工夫も凝らされ、時空を超えた愛情、みたいなものも描きつつ、同時に懐疑もしている。例えばトム・ハンクスを例に取ると、ハル・ベリー演ずるヒロインと接点がある善人の時代と、他人に毒を盛る悪徳医師の時代があったりして、一つの魂が善悪転換することがあると示している。また、他のキャラが主役の時は端役になるというふうに、主従も目まぐるしく入れ替わる。人類の英知と愚行と、それらの反復と。ラストはシニカルな希望。

鑑賞日:03月20日 監督:

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2180790

 

プラチナデータ

基本、『マイノリティ・リポート』の東野圭吾版かな(面白かったので原作も読む予定)。ただ、同作では、プリコグによる犯罪予知・事前逮捕まで行っていたが(それだけ国民の自由は危険に晒されている)、本作は、あくまでも科学捜査の延長(導入はね…)。作中の監視カメラの日付を見ると、2017年とあり、実際にも、今ある技術の応用・横断的組み合わせで実現できそうな筋書き。「DNA法案」が国会未提出なだけで。他、DNA絡みで決定論のような哲学的言説と、精神医療と、天才もマイノリティだという観点など複数の視点が盛られ興味深い。

鑑賞日:03月18日 監督:大友啓史

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2176657

 

サイドカーに犬 [DVD]

GyaO!の無料配信で(8日まで)駆け込みで先日観た。ミムラ演じる女性による、幼少期のある夏の回顧が全編通して続く。竹内結子演ずるヨーコさんは経歴を一切情報として付与されない。太宰治の『ヴィヨンの妻』を読んでいたり、鋭い洞察をしたり、ミムラの幼少期を連れ回したりする。奔放だが馬鹿ではない、学生付近の年齢帯だが、なぜか中古車の修理販売工に惚れてしまって不倫している。でも、今現在におけるミムラの演ずる女性に、その片鱗も見いだせないのが残念だ。あくまでも、あのように奔放に生きたいという憧れのままでクローズ。

鑑賞日:03月08日 監督:根岸吉太郎

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2155397

 

■フライト(デンゼル・ワシントン主演) [DVD]

本日公開、近所の映画館の千円デーで観た。予想以上に良い話。名パイロットだがバッドダッド、ワーカホリックでアルコホリック。このポスターの問いは、人により評価が違うから二者択一形式なのだろう。でも、どっちもだという印象。うん。ケリー・ライリーの位置づけは微妙。デンゼル・ワシントンに自分と向き合う契機を与える重要な存在だが、契機を与えただけとも。綺麗だけど、自分がドラッグアビューズから逃れるのに必死で、示唆しか与えられない。公聴会(山場)後には、彼やその家庭とも融和してくようだが(推定)。山場では支えない…。

鑑賞日:03月01日 監督:

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2128633

 

 

鑑賞メーター

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