From Nowhere To Somewhere ?

ビートルズの曲名から名を採った無定見、無我、無帰属の男が、どこかに辿りつけるのかという疑問文(題名、字面通り)

鑑賞メーター 3月分まとめ

2014年3月の鑑賞メーター

観たビデオの数:11本

観た鑑賞時間:1430分

 

■ザ・マスター [DVD]

過去、『タクシードライバー』でも、娼婦をマフィアから救うために、心を病んだ元海兵隊が射撃の腕を用いるという「自分探し」の面があった。主人公は、エセ科学を用いつつも大真面目に自分を救済しようとするカルトのグルと親友になってしまう。多くの信者と違い同化はできないが、人として接しあう。彼の性的倒錯や諸症状はフロイトユングをきちんと学んだ人には読み解けるのか。ともかく、人生と向き合えず、戦争のトラウマで人生が真っ暗だったのに、怪しげな団体と交流しながらも染まらずに自分の人生を再スタート、ある種の奇跡みたいな話。

鑑賞日:03月22日 監督:ポール・トーマス・アンダーソン

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/3002653

 

ザ・マスター [Blu-ray]

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ヘルタースケルター スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

美容整形はどの程度まで消費者保護されるか。原作が描かれた当時に比し、全身整形で致死性を帯びる例はいかほどか。現に作品中で、検察が追うほど悪質な医者が主人公を整形したから知りたくなった。免疫抑制剤やら向精神薬を処方されるのか、過剰接種後に、主人公の過剰な美意識が、「美はシャブみたいなものだ」という毒あるメッセージと相まり暴走。男から見ると最早恐怖映像。ただ、ラストは「?」。死後写真集復刊は彼女が伝説になったからで落とし所としてわかる。ライバルが見たのは…一体?実は生きてました、では今度は落とし所がない気が。

鑑賞日:03月21日 監督:蜷川実花

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/3000017

 

ヘルタースケルター スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

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■フィッシュストーリー [DVD]

劇中の台詞にもあるが、法螺話や眉唾物に対応する慣用句が調べるとちゃんとあり(ただし、形容詞化を要するが)、fishy storyとなっていた。再度敢えて訳すると魚臭い、日本語でこなれた表現ならクサイ≒出来過ぎた怪しい話ということか。それを踏まえた上で、パンク・バンドが誤訳を元にした歌詞を歌うのだが、誤訳のほうが素晴らしい(笑)。「僕の孤独が魚だったら 巨大さと獰猛さで 鯨さえも逃げ出す きっとそうだ きっとそうだ」。1953年の誤訳が、2012年にアルマゲドン(モドキ)のキーになる。素晴らしい突き抜け方。

鑑賞日:03月20日 監督:中村義洋

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2999396

 

フィッシュストーリー [DVD]

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探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 通常版 [DVD]

若干ネタバレ。小ネタとシリアスさが交互に訪れテンポの良さは絶品。飽きさせない。随所で楽しいので辛口にしたくはないが、展開については前作ほど大どんでん返し感はなかったかもしれない。日常に潜む矮小な差別的エゴが、今回の犯人の動機で、当初のオカマ殺しの件は、えらくシンプルであった。脱原発のキーパーソンとバイオリニストのいずれともがオカマが深い縁で結ばれていたという「真の事情」をよそに、様々な組織が探偵を口封じしようとする上滑り観が残念。あ、でもその世間の虚しさ(と対をなす街の優しさも?)こそがハードボイルドか。

鑑賞日:03月20日 監督:橋本 一

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2997707

 

 

天地明察 [DVD]

安井算哲、のちの渋川春海は数字にまつわる学問のマルチタレントだったようだ。その才能が、多くの知識人と交わり、算術と天測の架橋ができる地位を与えられ、しかも腐ることなく開花する。この開花の確率自体、天下泰平の江戸期では奇跡的。算術使いが設問に正答を出せた時に、出題者から「ご明察」と称賛を受けるが、天地の理について精密予測する天地の明察を巡り、既得権益(暦を牛耳ったお公家さん)から師匠を殺されたり酷い目に遭っても諦めない(折れそうにはなるけど)。嫁さんと同年同日に亡くなったというのが、約束と相まり胸を打つ話。

鑑賞日:03月19日 監督:滝田洋二郎

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2995930

 

天地明察 [DVD]

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ジャックと天空の巨人 [DVD]

ジャックと豆の木』の粗筋をあらかた忘れてしまったが、巨人が降りてくる設定は無かったと思う。複数の豆が、災いのもとにもなり、救いのもとにもなるのが良い。ところでギリシャ神話では、ゼウスの父がクロノグラフの語源となった時の神クロノスで、なぜか種族が違い巨神族だったそうだ。代替わりの戦争でクロノスは負け、「地下に」封印されたそうな。なぜ巨人王国が「宙に浮いてる」のか説明はなくちと残念。ラスト間際は、城塞での立て篭もり死守なので、流行りの『進撃の巨人』好きはご覧になってはいかがか。(設定しか知らないんだけど。)

鑑賞日:03月18日 監督:ブライアン・シンガー

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2993523

 

ジャックと天空の巨人 [DVD]

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真夏の方程式 DVDスタンダード・エディション

オリジナルキャラ設定を除けば、かなり忠実に原作小説を実写化。原作小説で恭平くんが間接正犯の道具になってる点は気の毒だと思ったが、そこまで泣けるものでもなかった。だが、実際に子役が演じるといいね。これから先、自らの答えを探していく過程で、湯川が並走してくれるというあの駅の待合室のシーンは、実の父親より頼りになり泣かす。本筋の、ホステス殺しをした娘を庇うために、事件隠蔽をすべく敢えて(ということは故意犯だけどね)業務上過失致死を「装う」継父、という構図も泣けたが。身代わりの実父も。一番悪いのはホステス。以上。

鑑賞日:03月17日 監督:西谷弘

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2991670

 

 

エンド・オブ・ホワイトハウス [DVD]

オバマケアなどリアルな政策問題と牽強付会するが、日本ほどでないにせよ、アメリカも厚い福祉を要す少子高齢化社会を突き進んでいる。すると、安全保障の担い手も減ることに。国の老いの果てに、パクス・アメリカーナ終焉が近いのでは?という社会不安が、このような脚本として結実したのかも。9.11以後、領空侵犯にピリピリしているはずのアメリカが、出だしのように簡単に空を割らせるか、起点から微妙ではあるが、仮に、軍が到着するまでの空白の15分間を13分間で制圧できたなら、「あってはいけないシナリオ」の警告集かもしれない。

鑑賞日:03月16日 監督:アントワーン・フークア

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2990894

 

エンド・オブ・ホワイトハウス [DVD]

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るろうに剣心 通常版 [DVD]

個人的意見で恐縮だが。男性陣は割りと原作イメージにフィット。しかし神谷薫や高荷恵は…「旬の女優さん」かもしれないが、原作に沿うか否かは議論の余地ありではないか(苦笑)。ただ、総じて言えば、漫画とは別の魅力に満ちた映画だ、と褒めたくなる出来栄え。幕開けが戊辰戦争の殺し合いから始まる点とか。主役が単なるイケメンではなく、(仮面ライダー電王でしたか?)アクションができるイケメンであり、褒め過ぎかもしれないが『ボーン・アイデンティティー』を初めて観たときの衝撃に似た「殺陣」の連続で(活人剣の話だけど)ある点とか。

鑑賞日:03月16日 監督:大友啓史

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2988827

 

るろうに剣心 通常版 [DVD]
 

 

■マン・オブ・スティール ブルーレイ&DVD(初回限定生産)

スパイダーマンバットマンのリブートに倣って、70年代の作風よりは随分シリアスに作り直してある印象だ。クリプトン星の運命も、自分たちの星が属する系の太陽フレアに巻き込まれ死滅ではなく、天然資源採掘の無理が祟って星のバランスが崩れ、内戦と相まって自滅、など設定も微妙に異なる。前ヒーロー二者と共通なのは、良き導き手に出会っていることか。だが比較的に、主人公の内面的葛藤の描き方は少なく、気づけば問題を突破してしまう感じ。脱線するけど鋼の男というと、アイアンマンを連想してしまうが、厳密な語感はどう違うのだろうか?

鑑賞日:03月15日 監督:ザック・スナイダー

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2986539

 

マン・オブ・スティール ブルーレイ&DVD(初回限定生産)

マン・オブ・スティール ブルーレイ&DVD(初回限定生産)

 

 

■スーパーマン ディレクターズカット版 [DVD]

リブート作『マン・オブ・スティール』と併せて借りた。幼い頃の記憶を上書き更新すべく先に鑑賞。金曜ロードショー日曜洋画劇場等、昔懐かしの(往時の有り難みが、レンタル店の普及で減殺されているという意味で懐かしの)テレビ映画番組での断想的記憶だけだったので、今回、改めて鑑賞でき良かった。撮影技術の制約がある中で、未知の惑星を構築した創造力がすごい。あと、ギャラリー機能で驚いたが、原作自体は、戦前から存在したという。今度でリメイク何度目なのか。若干、名優ジーン・ハックマン起用なのに、敵がとぼけすぎなのが残念。

鑑賞日:03月14日 監督:リチャード・ドナー

http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2985728

 

スーパーマン ディレクターズカット版 [DVD]

スーパーマン ディレクターズカット版 [DVD]

 

 

 

鑑賞メーター

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